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日別アーカイブ: 2022年3月11日

お知らせ 2022年3月11日 更新

新型コロナワクチン接種の予定

新型コロナワクチン接種の、今後当面の予定をお知らせいたします。

1. 予定している接種日、時間帯は、3月12日(土)午後、3月19日(土)午後、3月26日(土)午後、になります。

2. 診療日、診療時間内に、当院まで電話(06−6875−3500)をいただくか、直接当院受付で申し込んでください。

お知らせ 2022年3月11日 更新

新型コロナワクチン接種の有効性

新型コロナ新規感染者数がだいぶ減少傾向になってきました。しかしまだまだ油断できません。

医学研究結果や、コロナワクチン接種後の疫学調査では、コロナワクチン接種では流行そのものは止んでいません。減りもしていません。変異株の出現でますますひどくなる一方です。

現状では感染を防ぐためには、地道にマスクをする、換気をする、会話は一定の距離をとって行うなどの対策を行うしかありません。

当院では基礎疾患のない60歳未満の方への接種は、原則おこなっていません。この方々には接種に伴う危険を上回るご利益がないからです。

mRNAワクチンの危険については先日掲載いたしました。今回はご利益がない点について、すなわち現在接種が行われているワクチンに、何が期待できるのか、何を期待しても無駄なのか、についてご説明してみます。

 

はじめに

 

一般的にワクチンの効能について説明します。

第一に感染(ウイルスにかかること)を防ぐ効果があります。

第二に感染しても発病させない効果があります。この概念は、わかりにくく感じられるかもしれません。感染しているが、無症状の方々がたくさんおられると報道されていますが、まさにそのような状態の方です。ワクチンの力でそのような状態を作り出すことができます。

第三に感染し、発病しても、重症化し、死に至ることを防ぐ効果があります。

現在我が国で用いられているファイザー社、モデルナ社のメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの臨床試験では、第三の効果と説明した、重症化、死亡を95%抑えることが証明されました。大変素晴らしい効果です。臨床試験ではこの重症化予防効果は一年後にも保持されていました。

臨床試験で、感染したが発病しない方の検出は困難です。そこで、感染予防効果を調べることはできずに、発病予防効果について調べられました。第一と第二を合わせた効果です。その結果ファイザー社95%、モデルナ社94%という素晴らしい結果が得られました。

インフルエンザワクチンのような不活化ワクチンでは通常60−70%程度ですので、大変素晴らしい効果と言えます。

しかし注意すべきは、感染したが無症状の方は、発病していないので有効例になるということです。

 

3回目追加接種の効果

 

在日米軍基地における新型コロナ感染クラスター発生が問題視され、盛んに報道されました。我が国では国民みんなでコロナを流行させないように、我慢をして、用心しているのに、米軍基地からコロナが撒き散らかされてはたまった物ではないと、さぞ憤られたことでしょう。

しかしこれらの米軍兵の皆様は、ほぼ全員がコロナワクチン3回目接種を終えられている方々でした。兵隊さんにコロナで入院しないといけないような方が次々と発生したら、軍隊活動できませんので、さすがに米軍はその点に抜かりはありません。ワクチンは重症化を防ぐことができるので、感染した米軍兵の方は、元気に活動を続けておられました。しかしその分流行は広がるという事です。

つまり3回目接種をしてもコロナに感染する、爆発的に流行するということは、感染予防効果はあまりない、特に今流行っているオミクロン株などに対してはほとんどないということです。

欧米などでも爆発的に、我が国の10倍以上の感染、流行が生じています。これらの国ではマスクをしている方は稀で、ワクチンパスポートがあれば、マスクなしでお店で飲食、飲酒できます。こういうことをしていれば、3回目ワクチン接種をしても感染、流行はいくらでも広がるということです。

これからわかることは、我が国で流行がまだ現状のような程度で済んでいるのは、ワクチンの効果ではなく、マスクなどの感染予防策をみんなで行ってきたからだということです。

感染すれば、発病がなく、無症状の方でも、発熱や咳が出ている方と同じように、周りを感染させることはすでにわかっています。

ワクチン接種により、自分が予防するだけでなく、家族や周囲の方、おじいちゃん、おばあちゃんを守りましょうとのスローガンがありますが、残炎ながらワクチン接種を受けた本人の重症化を抑えることができるだけで、周りの方を守ることはできません。

 

英国保健安全保障庁の3回目接種効果データ

 

英国保健安全保障庁が興味深く、大変参考になるデータを発表されています。(先日のコメントに掲載した、N H Kが参照報道していたデータです)

 

英国保健庁

 

それによるとファイザーワクチン(BNT162b2)接種のeffectiveness(有効性)が、オミクロン株の場合、デルタ株よりも全体に低くなっており、接種後2−4週後には60%程度であるのが、20−24週では10%程度まで低下してしまいます。

しかしファイザーワクチン(BNT162b2)を追加接種すると1週目、2−4週で70%程度に改善し、10週経過しても50%にしか下がらない、と説明されています。

T V報道やインターネット記事などで、ワクチンは3回目接種でようやく十分な効果が見られるというような発言がありますが、そうでしょうか?

ちなみにmRNA-1273はモデルナワクチンで、1回目、2回目がファイザーワクチンでも、3回目にモデルナワクチンを用いると、ファイザーワクチンよりもさらに効果が上がる、ように見受けます。

しかしこのデータをよく見ると、3回目接種のグラフは横軸が2回目と違います。3回目は横に伸びていて、グラフの傾きが緩やかに見えます。

それを考慮して判読すると、3回目接種でも週数とともに低下するのは2回目と変わりがありません。

2回目接種でも10−14週では40%程度を保っていたことを考えると、いかがでしょうか。

3回目接種で有効性が、一旦は回復するが、その程度は2回目接種直後と同じようなものに過ぎず、その後も週数と共にどんどん減弱し、減弱の仕方は2回目接種後とほぼ同じという結果です。

ちなみにeffectiveness(有効性)とは、臨床試験の際と同じ診断基準で、症状が出ないことを評価しており、感染したが発病していない方は有効と判定されているのは同じで、有効例の中に感染者はかなり含まれます。

つまり3回目接種しても、発病効果は一時的(4週程度)高まるとしても、感染予防効果はさほどでない(可能性があり)、発病予防効果も10週(2.5か月)でかなり低下し、それは3回目接種しても同様だということです。

 

重症化、死亡率

 

重症化、死亡のリスク軽減効果はかなり期待できます。海外の感染がかなり広がっている国々でも、死亡者はあまり増えなくなっています。

我が国でも昨年7月にデルタ株の大流行(第五波)が起きましたが、菅元総理の強力な指導で、ワクチンの高齢者への優先接種が進んでいたので、重症化、死亡者は感染者が爆発的に増えた割には低く抑えられました。

では重症化、死亡のリスクの高い方はどのような方でしょうか。

基礎疾患をお持ちの方が危なさそうだというのはどなたも想像できると思いますが、それ以上に顕著だったのが、年齢でした。

厚生労働省が報告した年代別の死亡者数のデータをお示しします。

 

厚労省年代別死亡者3

 

まだワクチン接種が始まる昨年1月6日のデータです。

60歳代以上では年齢とともに跳ね上がり、特に70歳代、80歳代以上では大変高率になっていました。

一方50歳代以下では、コロナに罹患しても、死亡率は0.1%以下で、亡くなられているのはほとんどが高度肥満や糖尿病などを患われている方でした。

次のデータは一年後の本年1月11日のもので、ほぼ全ての世代でワクチン接種が進んだ状態でのものです。

 

厚労省年代別死亡者4

 

60歳代以上の高齢者において死亡率が高いという状況は変わりません。

50歳代でも死亡者は一定数おられますが、60歳代以上より少なく、しかもほとんどが基礎疾患をお持ちの方です。

40歳未満では亡くなった方はおられません。(その後ポツポツと死亡例が報道されましたが、全国でも数えられる程度です)

ワクチンは、重症化を防ぐことが接種の目的と考えると、70歳代以上の高齢者、50−60歳代でも基礎疾患を有する方に、最も恩恵があることが明らかです。

 

ワクチン接種の対象

 

若い方は、もともと重症化が少ないので、接種しても更に減らすという効果が得られず、接種しても感染は起きるので、マスクなしでの宴会はできず、家族やお年寄りを守ることはできません。

小学生などの学生さんは学校での集団感染が問題になっていますが、ワクチンを接種しても感染は起きるし、周りに感染はさせるので、集団感染は減らせません。先天性心疾患のような病気のない普通のお子様は、重症になったり、亡くなったりしません。

一方心筋炎や突然死のリスクはこのような若い方に高くなっています。小児の突然死も報告されています。

しかもmRNAワクチンは新しいワクチンで、数年後、10年後にどのような影響をもたらすかまだわかっていません。

このような安全とは言えないワクチンを、死亡リスクの低い、あるいはほとんどないと言って良い世代に接種するのは反対です。

 

高齢者へのワクチン接種

 

ファイザーやモデルナのmRNAワクチンの、臨床試験での重症化予防効果は一年後にも持続するとご説明しましたが、全ての方にそうであるとは言えません。

高齢の方は、ワクチンを接種しても免疫力がそれほど高まらず、また減弱も早いという傾向があります。個人差は当然あるのですが、2回目接種後6ヶ月も経過すれば、かなり低下していることが懸念されます。

このような方への3回目接種は強く推奨されます。

当院でもこれらの方への接種は積極的に行なっております。

60歳未満の方は、以上の情報をよく検討していただいた上で、接種の是非をご判断ください。

 

新型コロナ診療の今後の見通し

 

現在新しいワクチン開発がかなり進んでいます。

ファイザー社、モデルナ社はオミクロン株のような変異株に対するワクチンを開発し、米国で臨床試験中です。

ノババックス社、塩野義製薬は、組み替えタンパクワクチンを開発しています。組み替えタンパクワクチンはすでにB型肝炎ワクチンなどで使われている方法で、安全性もかなりわかっているワクチンです。ノババックスは海外からの導入なので、供給に不安がありますが、塩野義製薬は我が国の会社なので、安定供給してくれそうです。

インフルエンザに対するタミフルの様な経口治療薬が開発されています。

すでに二種類発売されていますが、海外からの輸入なので、非常に品不足で、特に重症化リスクの高い方にしか処方できません。

塩野義製薬が経口治療薬を開発しており、認可申請中で、迅速審査で、来月には認可されそうです。供給も問題ないでしょう。副作用はありますが、感染してから服用したら、重症化を防ぐことができますので、コロナ診療が一変するのではと期待します。

2年間の経験から、7月に次の流行が起きる可能性は高いですが、それには間に合いそうです。

いよいよコロナ抑圧から解放される光明が見えて、ワクワクします。

 

付記

 

基礎疾患を有する方とは

基礎疾患を有する方は次のA またはB に該当する方です。

A、次の1~14 の病気や状態の方で、通院や入院している方

1  慢性の呼吸器の病気

2  慢性の心臓病(高血圧を含む)

3  慢性の腎臓病

4  慢性の肝臓病(肝硬変など)

5  インスリンや飲み薬で治療中の糖尿病又は他の病気を併発している糖尿病

6  血液の病気(鉄欠乏性貧血を除く)

7  免疫の機能が低下する病気(治療中の悪性腫瘍を含む)

8  ステロイドなど、免疫の機能を低下させる治療を受けている

9  免疫の異常に伴う神経疾患や神経筋疾患

10  神経疾患や神経筋疾患が原因で身体の機能が衰えた状態(呼吸障害等)

11  染色体異常

12  重症心身障害(重度の肢体不自由と重度の知的障害とが重複した状態)

13  睡眠時無呼吸症候群

14  重い精神疾患(精神疾患の治療のために入院している、精神障害者保健福祉手帳を所持している、又は自立支援医療(精神通院医療)で「重度かつ継続」に該当する場合) や知的障害(療育手帳を所持している場合)

B、BMI(肥満度を表す体格指数)が30 以上の肥満の方

BMI=体重(キログラム)÷身長(m)÷身長(m)
*BMI30 の目安:身長160cmで体重約77kg 身長170cmで体重約87kg

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