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お知らせ 2022年7月18日 更新

新型コロナ雑感

新型コロナについての情報提供が滞っていて申し訳ありません。それは小生にとっても色々なことを判断するには情報が不十分であること、かつもどかしい医療行政や企業努力不足から、小生の想定通りに進んでいないことによります。

 

現在の情報を整理しますと、

1.新型コロナは変異を繰り返しながら、今後も絶滅することはなく、流行が続くであろう。

2.新型コロナは多くの方にとっては、毎冬に繰り返す感冒よりも軽い疾患にも関わらず、一部の方において重症化し、死に至る疾患である。

3.死亡率を規定している一番の要因は年齢で、亡くなる方はほぼ60歳以上で、特に70歳以上が80−90%を占めるが、若年者の重症者もあり、命が助かっても重い後遺症を残し、小児も若干数ながら死亡者があり、脳炎など、重篤な後遺症を残す子もいる。

4.現状のように感染すると、長期休職、長期休学休園による自宅療養を強いられ、それを恐れて、学校閉鎖、休店、休館を繰り返していると、経済が低迷し、社会が衰退し、子供や学生の教育や発育に深刻な被害をもたらす。

5.ワクチンは有効な予防手段だが、種々の制約や問題がある。

6.治療薬は適応(投与対象患者)が限定的で、普及していない。

という状況です。

 

3.はすでにお知らせしてきた通りで、現在においてもほぼ同じ状況です。

昨年夏の第5波はデルタ株が主流で、それまでより感染性が強くなり、かつ毒性が強く、重症、死亡が著しく増えてしまいました。

今年になりオミクロン株に置き換わりました。オミクロン株は毒性がかなり弱まりましたが、感染性、伝染性がとても強まり、感染者数が著しく増加したために、死亡率が低下しても、分母が増えたので死亡者数が増えてしまいました。

ワクチンが変異株に対して感染防御力がほとんどなくなるほどに低下しましたが、重症化予防効果は残っていたので、このような状況になったという要素もあります。

 

4.小生は現在のような社会情勢は何が何でも脱却すべきであると考えています。

ウイズコロナ(with Corona virus)という言葉がありますが、コロナウイルスと共存する社会という意味です。すなわちコロナはいくら流行しても良い、医学によって、誰も死なない、誰も重症化しない、という状況を作ろうということで、大賛成です。と言うか、コロナが絶滅しない以上、それしか選択肢がありません。

 

目指す社会は、活動自粛により流行を抑えるのでなく、流行しても平気である社会です。

 

5.ワクチンが決定的な切り札になるであろうと期待されました。世界中で死亡者数が激減しましたので、大変大きな効果が得られたと思いますが、流行しても平気である社会は得られていません。

ワクチンの何が問題なのでしょうか?

伝統的手法で作られた不活化ワクチン(インフルエンザワクチンなど)は、長年の使用経験から、副反応は見られるが、種類や頻度、重篤度はすでにわかっており、かなり安全性は高いです。

一方、日本で最も用いられてきたRNAワクチン(ファイザー、モデルナ)はごく最近に開発されたワクチンで、その効果は感染予防効果、発症予防効果、重症化予防効果、死亡率低減効果のいずれも不活化ワクチンよりもかなり強力で、画期的なワクチンでした。

しかし全くの新薬であり、安全性評価はかなり不足していました。米国FDAもとりあえずの数ヶ月の臨床試験結果での安全性を評価したのみで、大流行も多分考慮されて、緊急承認とされて、使われ始めたと言うものでした。(現在は承認されています)

接種後の発熱、倦怠感に対する不満や抗議が沸き起こりましたが、命を守るための注射ですので、一過性であれば受け入れてもらうしかありません。

しかしその後の多数例の使用経験、長期間の観察から、若くて健康だった方の突然死に至る重篤な副反応が報告されるようになりました。見方によりますが、大変危険なワクチンと言って良いでしょう。

60歳未満の方は、元々新型コロナによる重症化、死亡は極めて少ないです。70歳台の1000分の1以下で、そのほとんどは基礎疾患を有する方です。その方々に、さして安全と言えないワクチンを接種するのは憚られるのが普通です。

当院では60歳未満の方は、原則、基礎疾患があり重症化リスクの高い方、社会的に接種が必要で、危険性を納得した上で希望される方にしか接種しませんし、迷っておられて相談された方にはお勧めできないと説明しております。ましてや未成年や小児の方(の相談に来た親御さん)にはやめておいた方が良いと説明しています。

この強力なワクチンにより死を免れることができる、決定的なメリット受けられる方々がおられます。70歳以上の方が相当します。

RNAワクチンの重症化予防効果は色々な報告がありますが、2回接種した方では概ね一年以上持続するようです。

しかし高齢者では、接種で得られる免疫力がそれほど高くないこと、免疫力の減弱が早いことから、それほどの長期持続は期待できません。60歳以上、特に70歳以上の方は、重症化予防効果を維持するためには3−6ヶ月程度での追加接種が必要になります。

けれども、「流行しても平気である社会」ではコロナは流行が野放しになりますので、60歳未満の方々も、ごく少数ですが、重症化リスクがありますので、安心できません。

 

小生はその様な方々に適した、ワクチンや治療薬の登場を心待ちにしております。その様な方々は重症化リスクは低く、ましてや死亡リスクは皆無に等しいわけですから、RNAワクチンのような強力なワクチンである必要はありません。感染予防効果はほとんどなくてかまいません、重症化予防効果はある程度あれば、高くなくても良いです、しかし高い安全性は欠かせません。

 

6.罹患したら服用し、重症化や死に至るようなことを防ぐことができる治療薬があれば、それで十分かもしれません。

現在使われている薬剤は、点滴治療薬が多く、それらは大量生産できない薬剤なので薬剤供給も限られ、対象が重症患者さんに限られます。また極めて高額で、一回の点滴が50万円ほどになります。公費負担なので、本人の負担はゼロですが、結局血税から支払われます。この点からも本当に使ってあげないといけない患者さんかどうかを慎重に判断すべきです。ということは、心配だからというだけで、広く使うことはできないということになります。

経口薬もありますが、輸入薬なので、これも輸入量が少なく、登録された限られた医療施設で、限られた症例に処方されるのみです。

現在国内某社の経口治療薬の承認に向けた審議が行われています。社会状況を鑑みて迅速審査体制がとられていますが、有効性が十分に評価できないとして、なかなか認可に至らず、一方ボツにするのもおしいので継続審議が続けられてきているという、何か情けない状況です。ちなみに今週も審議会が開かれます。

新薬の承認は、承認された後、重篤な副作用が出たり、薬剤が結局なんの効果もなかった場合を考えますと、審議委員の責任は大変に重く、慎重な判断が求められるのは言うまでもありません。

しかし有効性の評価が、発熱期間の短縮、感冒用症状軽快までの期間の短縮などで行われるのであれば、本薬剤に期待されている効果とは別物であると感じます。

ただ死亡率を低減させるとの評価をすることは大変に困難です。薬剤を投与した群と、しなかった群で死亡率が異なることを証明するわけですので、投与しないと亡くなられる方を観察しないといけないわけで、動物実験ではないので、倫理的問題があります。

少なくとも実験室レベルでは、ウイルス量の激減が証明されていますので、期待しているのですが。

さらに概して抗ウイルス薬には細胞増殖を抑えるわけですので、胎児への影響や生殖器官への影響が出やすいという一般的傾向がありますので、よほど安全性評価がしっかりできていないと若い方、子供たちに広くには使いにくいということがおきえます。

中高年限定になるかもしれません。

 

やはり安全性の高いワクチンへの期待が大きいです。

 

ノババックス社(米国)が開発し、国内では武田製薬が製造する組換え蛋白ワクチンが、この4月に承認されました。

組換え蛋白ワクチンは比較的新しい製造技術で作られたワクチンですが、新しいと言ってももう20年以上の使用経験があります。帯状疱疹ワクチン(シングリックス)、B型肝炎ワクチン(ビームゲン、ヘプタバックス)などが既にもちいられていて、不活化ワクチンより強力で持続力もあります。

武田ノババックスワクチンは発病予防効果がRNAワクチンと同等にあるとの臨床試験が報告されていますが、そんなに強くなくてもいいから、高い安全性をお願いします、という気持ちです。

と言うのは組換え蛋白ワクチンでは、効果を増強するためにアジュバントと言う物質を加えねばならず、高い効果を狙うと、アジュバントを頑張らないといけなくなり、その場合に安全性を担保できるかどうかが心配です。

組換え蛋白ワクチンはシオノギ製薬も開発していて、現在臨床試験中ですが、臨床試験がうまく進まないのか、秋に申請し、年内一杯に承認されるかどうかとのことです。

小生期待のワクチンだったのですが、武田ノババックスワクチンは、流通量が少なく、大阪府ではたった4ヶ所の契約している医療施設と接種センターで受けることができるのみです。

組換え蛋白ワクチンは既存の製造工程で作ることができ、RNAワクチンよりも大量生産できるワクチンです。であるのになぜそのような対応なのかよくわかりません。厚労省が消極的なのか、メーカーに事情があるのか、それとも他に・・・。

国内メーカーから不活化ワクチンも登場する計画もあります。十分な安全性があれば、それも選択肢かなと感じております。

 

第6波はオミクロン株(BA1)が流行の中心でした。現在新しい流行(第7波)が起きてきており、その主体はオミクロン株(BA5)とされています。

第7波の原因は、気持ちの緩み、外国人観光客の受け入れ、ワクチン効果の減弱などと分析されていますが、一部に過ぎません。それを正しても流行は抑えられません。

昨年も一昨年も7月を中心に流行しました。何かこの時期に流行する訳があるのです。聞けるものならコロナに聞きたいところです。

ただBA5変異株が、感染力が大変に高い株であることは、流行の大きな理由ではあると思います。

では従来のワクチンの効果や、第6波でオミクロン(BA1)にかかった方(全国に800万人ほどおられます)はどうなるのでしょうか。

大阪大学の忽那先生が、海外データを元に解説されています。ご参照ください。

https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20220717-00305856

第6波でオミクロン(BA1)にかかった方はBA5に対して一定の感染抵抗力がある様です。

しかしさらにワクチン接種で高まる様です。

この点でもやはり安全性の高いワクチンへの期待が大きいです。

製薬メーカーさん、うまく厚労省を説得できる様に頑張ってください。

賄賂でインチキしろと言っているのでありません。

どの様な効果を証明すれば良いのか、安全性を担保するのかを頑張ってほしいのです。

 

 

 

 

お知らせ 2022年7月18日 更新

新型コロナワクチン接種予定

新型コロナワクチン接種の予定を再度お知らせいたします。

今回は日曜日の午前、午後に接種しておりますが、7月24日、31日、8月7日に接種しましたら、8月14日はお休みいたします。

その後の予定は未定で、曜日や時間帯が異なるようになる見通しです。

決定しましたら、追ってお知らせいたします。

以上は60歳以上、あるいは基礎疾患を有する方の4回目接種、それ以外の方の3回目接種が対象です。

今回用意しておりますワクチンはファイザー社製RNAワクチン(コミナティー)になります。

RNAワクチンの安全性について十分な担保がないことは従前にお知らせした通りです。

それを考慮した上でなお、70歳以上の方は罹患時の死亡率が高く、RNAワクチンにより明確な低減効果が得られることがわかっていることから、接種を強く推奨できます。早く申し込んで受けてください。

年齢別死亡率、デルタ株流行期とオミクロン株流行期の相違などが、埼玉県のホームページによくまとめられているので、ご参照ください。

https://www.pref.saitama.lg.jp/b0714/surveillance/covid-19.html

お知らせ 2022年6月13日 更新

新型コロナワクチン接種予定(高齢者以外)

新型コロナワクチン接種の3回目接種ができなかった、あるいは受けなかった方への対応について、見通しをお知らせいたします。

オミクロン株などの変異株に対して、現在のワクチンでは感染予防効果、発症予防効果はほとんど期待できないことを既にお知らせしております。

しかし重症化、その結果の死亡を抑制する効果は、変異株に対しても認められています。

ファイザーやモデルナ社のRNAワクチンの、重症化、死亡率抑制効果は、通常一年後にも残っている事がわかっています。

しかし高齢者においては、ワクチン接種しても十分な免疫力ができない、あるいはできても減弱が早いという方が少なからずおられることもわかっており、感染した場合の重症化、死亡率の高い60歳以上の方々に、本年2−3月に、3回目のワクチン接種を行いました。

この方々には5ヶ月すると4回目接種が望ましいとされ、7月10日より接種を予定しております。

一方3回目を見送っていただいた比較的若年の方々も、そろそろ2回目接種から一年が経過し、重症化、死亡率抑制効果の減弱が懸念されます。

今回は3回目を見送っていただいた60歳以下の方々で、接種を希望される方への接種も検討しております。

もちろん種々の事情で1回目、2回目を受けられなかった方も対象とします。

基礎疾患をお持ちの方も対象となります。

具体的な申込み法は後日再掲示いたします。

10代の方は対象外といたします。

20代、30代の方は、受けた方が良いか、判断の難しいところがあるのは、既報の通りです。

副反応が強くて躊躇されている方も含めて、ノババックス/武田製薬の組み替え蛋白ワクチンは良い選択かもしれませんが、まだ情報が不十分で、また現状では供給が限られており、当院で接種できる予定がありません。

新たな情報がありましたら、またご案内します。

お知らせ 2022年6月5日 更新

臨時休診のお知らせ

6月22日水曜日は、臨時工事のために、終日休診とさせていただきます。

ご迷惑をおかけしますが、ご協力の程をよろしくお願い申し上げます。

お知らせ 2022年6月1日 更新

夏季休診のお知らせ

8月15日から20日まで休診させていただきます。

ご協力の程をよろしくお願いいたします。

 

お知らせ 2022年6月1日 更新

新型コロナワクチン接種の予定

新型コロナワクチン接種の予定をお知らせいたします。

今回は日曜日の午前、午後に接種いたします。

7月10日から開始になる予定です。

受付は6月27日月曜日から始めます。

対象は60歳以上の方で、3回目接種から5ヶ月を経過された方です。

3回目接種から6ヶ月経過されていても、3回目接種の効果はさほど低下していないと考えられますので、3回目を本年1月中にお受けになった方でも7月の接種で間に合うと思います。

接種体制構築、ワクチン配給予定などの事情により、上記の予定が変更になる可能性がありますことをご了承ください。

ご協力の程をよろしくお願い申し上げます。

 

お知らせ 2022年3月28日 更新

新型コロナワクチン接種を終了しました。

新型コロナワクチン接種を実施してまいりましたが、終了いたしました。

今後の予定は、お知らせできることができましたら、また掲示いたします。

お知らせ 2022年3月12日 更新

新型コロナワクチン接種対象者

おかげさまで、新型コロナワクチン3回目追加接種につきまして、当初優先的に接種受付致しておりました、60歳以上の、当院のかかりつけ患者さん、1回目、2回目を当院で接種されました方々への接種が順調に進み、ほぼ終了することができました。

接種できるワクチン(ファイザー社コミナティーワクチン)を、まだ少し残すことができましたので、今後は対象を広げさせていただきます。

現在接種しておりますワクチンは必ずしも安全なものでなく、発熱や倦怠感に留まらず、ごく一部の方にですが、更に重篤な副反応も見られています。

またワクチン接種しても、特にオミクロン変異株の感染はほとんど阻止できないこともわかってきております。

そうしたワクチンの有効性や安全性について、別項に掲載させていただきましたので、ぜひご一読ください。

その上でご希望いただく方は、受付致します。

1. 60歳以上、あるいは重症化リスクの高い基礎疾患を有する方がは、当院かかりつけ患者さん以外の方、1回目、2回目を他施設、集団接種、大規模接種、職域接種で受けた方であっても受付させていただきます。

2. 60歳未満でも、別掲の安全性、有効性についての記事をよくご理解いただいた上で希望なさる方も受付ますが、原則40歳未満の方は対象外とさせてください。小児には接種いたしません。

3. 事務処理能力の制限があり、接種券を取得されている方に限定させてください。

4. 今のところ予定している接種日、時間帯は、3月12日(土)午後、3月19日(土)午後、3月26日(土)午後、になります。

5. まだ余裕がありますが、在庫ワクチンが終了したら、接種も終了となりますので、ご了承ください。

6. 診療日、診療時間内に、当院まで電話(06−6875−3500)をいただくか、直接当院受付で申し込んでください。

お知らせ 2022年3月11日 更新

新型コロナワクチン接種の予定

新型コロナワクチン接種の、今後当面の予定をお知らせいたします。

1. 予定している接種日、時間帯は、3月12日(土)午後、3月19日(土)午後、3月26日(土)午後、になります。

2. 診療日、診療時間内に、当院まで電話(06−6875−3500)をいただくか、直接当院受付で申し込んでください。

お知らせ 2022年3月11日 更新

新型コロナワクチン接種の有効性

新型コロナ新規感染者数がだいぶ減少傾向になってきました。しかしまだまだ油断できません。

医学研究結果や、コロナワクチン接種後の疫学調査では、コロナワクチン接種では流行そのものは止んでいません。減りもしていません。変異株の出現でますますひどくなる一方です。

現状では感染を防ぐためには、地道にマスクをする、換気をする、会話は一定の距離をとって行うなどの対策を行うしかありません。

当院では基礎疾患のない60歳未満の方への接種は、原則おこなっていません。この方々には接種に伴う危険を上回るご利益がないからです。

mRNAワクチンの危険については先日掲載いたしました。今回はご利益がない点について、すなわち現在接種が行われているワクチンに、何が期待できるのか、何を期待しても無駄なのか、についてご説明してみます。

 

はじめに

 

一般的にワクチンの効能について説明します。

第一に感染(ウイルスにかかること)を防ぐ効果があります。

第二に感染しても発病させない効果があります。この概念は、わかりにくく感じられるかもしれません。感染しているが、無症状の方々がたくさんおられると報道されていますが、まさにそのような状態の方です。ワクチンの力でそのような状態を作り出すことができます。

第三に感染し、発病しても、重症化し、死に至ることを防ぐ効果があります。

現在我が国で用いられているファイザー社、モデルナ社のメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの臨床試験では、第三の効果と説明した、重症化、死亡を95%抑えることが証明されました。大変素晴らしい効果です。臨床試験ではこの重症化予防効果は一年後にも保持されていました。

臨床試験で、感染したが発病しない方の検出は困難です。そこで、感染予防効果を調べることはできずに、発病予防効果について調べられました。第一と第二を合わせた効果です。その結果ファイザー社95%、モデルナ社94%という素晴らしい結果が得られました。

インフルエンザワクチンのような不活化ワクチンでは通常60−70%程度ですので、大変素晴らしい効果と言えます。

しかし注意すべきは、感染したが無症状の方は、発病していないので有効例になるということです。

 

3回目追加接種の効果

 

在日米軍基地における新型コロナ感染クラスター発生が問題視され、盛んに報道されました。我が国では国民みんなでコロナを流行させないように、我慢をして、用心しているのに、米軍基地からコロナが撒き散らかされてはたまった物ではないと、さぞ憤られたことでしょう。

しかしこれらの米軍兵の皆様は、ほぼ全員がコロナワクチン3回目接種を終えられている方々でした。兵隊さんにコロナで入院しないといけないような方が次々と発生したら、軍隊活動できませんので、さすがに米軍はその点に抜かりはありません。ワクチンは重症化を防ぐことができるので、感染した米軍兵の方は、元気に活動を続けておられました。しかしその分流行は広がるという事です。

つまり3回目接種をしてもコロナに感染する、爆発的に流行するということは、感染予防効果はあまりない、特に今流行っているオミクロン株などに対してはほとんどないということです。

欧米などでも爆発的に、我が国の10倍以上の感染、流行が生じています。これらの国ではマスクをしている方は稀で、ワクチンパスポートがあれば、マスクなしでお店で飲食、飲酒できます。こういうことをしていれば、3回目ワクチン接種をしても感染、流行はいくらでも広がるということです。

これからわかることは、我が国で流行がまだ現状のような程度で済んでいるのは、ワクチンの効果ではなく、マスクなどの感染予防策をみんなで行ってきたからだということです。

感染すれば、発病がなく、無症状の方でも、発熱や咳が出ている方と同じように、周りを感染させることはすでにわかっています。

ワクチン接種により、自分が予防するだけでなく、家族や周囲の方、おじいちゃん、おばあちゃんを守りましょうとのスローガンがありますが、残炎ながらワクチン接種を受けた本人の重症化を抑えることができるだけで、周りの方を守ることはできません。

 

英国保健安全保障庁の3回目接種効果データ

 

英国保健安全保障庁が興味深く、大変参考になるデータを発表されています。(先日のコメントに掲載した、N H Kが参照報道していたデータです)

 

英国保健庁

 

それによるとファイザーワクチン(BNT162b2)接種のeffectiveness(有効性)が、オミクロン株の場合、デルタ株よりも全体に低くなっており、接種後2−4週後には60%程度であるのが、20−24週では10%程度まで低下してしまいます。

しかしファイザーワクチン(BNT162b2)を追加接種すると1週目、2−4週で70%程度に改善し、10週経過しても50%にしか下がらない、と説明されています。

T V報道やインターネット記事などで、ワクチンは3回目接種でようやく十分な効果が見られるというような発言がありますが、そうでしょうか?

ちなみにmRNA-1273はモデルナワクチンで、1回目、2回目がファイザーワクチンでも、3回目にモデルナワクチンを用いると、ファイザーワクチンよりもさらに効果が上がる、ように見受けます。

しかしこのデータをよく見ると、3回目接種のグラフは横軸が2回目と違います。3回目は横に伸びていて、グラフの傾きが緩やかに見えます。

それを考慮して判読すると、3回目接種でも週数とともに低下するのは2回目と変わりがありません。

2回目接種でも10−14週では40%程度を保っていたことを考えると、いかがでしょうか。

3回目接種で有効性が、一旦は回復するが、その程度は2回目接種直後と同じようなものに過ぎず、その後も週数と共にどんどん減弱し、減弱の仕方は2回目接種後とほぼ同じという結果です。

ちなみにeffectiveness(有効性)とは、臨床試験の際と同じ診断基準で、症状が出ないことを評価しており、感染したが発病していない方は有効と判定されているのは同じで、有効例の中に感染者はかなり含まれます。

つまり3回目接種しても、発病効果は一時的(4週程度)高まるとしても、感染予防効果はさほどでない(可能性があり)、発病予防効果も10週(2.5か月)でかなり低下し、それは3回目接種しても同様だということです。

 

重症化、死亡率

 

重症化、死亡のリスク軽減効果はかなり期待できます。海外の感染がかなり広がっている国々でも、死亡者はあまり増えなくなっています。

我が国でも昨年7月にデルタ株の大流行(第五波)が起きましたが、菅元総理の強力な指導で、ワクチンの高齢者への優先接種が進んでいたので、重症化、死亡者は感染者が爆発的に増えた割には低く抑えられました。

では重症化、死亡のリスクの高い方はどのような方でしょうか。

基礎疾患をお持ちの方が危なさそうだというのはどなたも想像できると思いますが、それ以上に顕著だったのが、年齢でした。

厚生労働省が報告した年代別の死亡者数のデータをお示しします。

 

厚労省年代別死亡者3

 

まだワクチン接種が始まる昨年1月6日のデータです。

60歳代以上では年齢とともに跳ね上がり、特に70歳代、80歳代以上では大変高率になっていました。

一方50歳代以下では、コロナに罹患しても、死亡率は0.1%以下で、亡くなられているのはほとんどが高度肥満や糖尿病などを患われている方でした。

次のデータは一年後の本年1月11日のもので、ほぼ全ての世代でワクチン接種が進んだ状態でのものです。

 

厚労省年代別死亡者4

 

60歳代以上の高齢者において死亡率が高いという状況は変わりません。

50歳代でも死亡者は一定数おられますが、60歳代以上より少なく、しかもほとんどが基礎疾患をお持ちの方です。

40歳未満では亡くなった方はおられません。(その後ポツポツと死亡例が報道されましたが、全国でも数えられる程度です)

ワクチンは、重症化を防ぐことが接種の目的と考えると、70歳代以上の高齢者、50−60歳代でも基礎疾患を有する方に、最も恩恵があることが明らかです。

 

ワクチン接種の対象

 

若い方は、もともと重症化が少ないので、接種しても更に減らすという効果が得られず、接種しても感染は起きるので、マスクなしでの宴会はできず、家族やお年寄りを守ることはできません。

小学生などの学生さんは学校での集団感染が問題になっていますが、ワクチンを接種しても感染は起きるし、周りに感染はさせるので、集団感染は減らせません。先天性心疾患のような病気のない普通のお子様は、重症になったり、亡くなったりしません。

一方心筋炎や突然死のリスクはこのような若い方に高くなっています。小児の突然死も報告されています。

しかもmRNAワクチンは新しいワクチンで、数年後、10年後にどのような影響をもたらすかまだわかっていません。

このような安全とは言えないワクチンを、死亡リスクの低い、あるいはほとんどないと言って良い世代に接種するのは反対です。

 

高齢者へのワクチン接種

 

ファイザーやモデルナのmRNAワクチンの、臨床試験での重症化予防効果は一年後にも持続するとご説明しましたが、全ての方にそうであるとは言えません。

高齢の方は、ワクチンを接種しても免疫力がそれほど高まらず、また減弱も早いという傾向があります。個人差は当然あるのですが、2回目接種後6ヶ月も経過すれば、かなり低下していることが懸念されます。

このような方への3回目接種は強く推奨されます。

当院でもこれらの方への接種は積極的に行なっております。

60歳未満の方は、以上の情報をよく検討していただいた上で、接種の是非をご判断ください。

 

新型コロナ診療の今後の見通し

 

現在新しいワクチン開発がかなり進んでいます。

ファイザー社、モデルナ社はオミクロン株のような変異株に対するワクチンを開発し、米国で臨床試験中です。

ノババックス社、塩野義製薬は、組み替えタンパクワクチンを開発しています。組み替えタンパクワクチンはすでにB型肝炎ワクチンなどで使われている方法で、安全性もかなりわかっているワクチンです。ノババックスは海外からの導入なので、供給に不安がありますが、塩野義製薬は我が国の会社なので、安定供給してくれそうです。

インフルエンザに対するタミフルの様な経口治療薬が開発されています。

すでに二種類発売されていますが、海外からの輸入なので、非常に品不足で、特に重症化リスクの高い方にしか処方できません。

塩野義製薬が経口治療薬を開発しており、認可申請中で、迅速審査で、来月には認可されそうです。供給も問題ないでしょう。副作用はありますが、感染してから服用したら、重症化を防ぐことができますので、コロナ診療が一変するのではと期待します。

2年間の経験から、7月に次の流行が起きる可能性は高いですが、それには間に合いそうです。

いよいよコロナ抑圧から解放される光明が見えて、ワクワクします。

 

付記

 

基礎疾患を有する方とは

基礎疾患を有する方は次のA またはB に該当する方です。

A、次の1~14 の病気や状態の方で、通院や入院している方

1  慢性の呼吸器の病気

2  慢性の心臓病(高血圧を含む)

3  慢性の腎臓病

4  慢性の肝臓病(肝硬変など)

5  インスリンや飲み薬で治療中の糖尿病又は他の病気を併発している糖尿病

6  血液の病気(鉄欠乏性貧血を除く)

7  免疫の機能が低下する病気(治療中の悪性腫瘍を含む)

8  ステロイドなど、免疫の機能を低下させる治療を受けている

9  免疫の異常に伴う神経疾患や神経筋疾患

10  神経疾患や神経筋疾患が原因で身体の機能が衰えた状態(呼吸障害等)

11  染色体異常

12  重症心身障害(重度の肢体不自由と重度の知的障害とが重複した状態)

13  睡眠時無呼吸症候群

14  重い精神疾患(精神疾患の治療のために入院している、精神障害者保健福祉手帳を所持している、又は自立支援医療(精神通院医療)で「重度かつ継続」に該当する場合) や知的障害(療育手帳を所持している場合)

B、BMI(肥満度を表す体格指数)が30 以上の肥満の方

BMI=体重(キログラム)÷身長(m)÷身長(m)
*BMI30 の目安:身長160cmで体重約77kg 身長170cmで体重約87kg

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